CLTアイディアコンテスト2021

結果発表Result

  • CLTアイディアコンテストは、2015年に第1回を開催し、第3回(2017年)から「設計部門」を設け、実現性のあるCLT建築物の提案の募集を始めました。
    第7回となる今回は、設計部門として「riverside CLT」をテーマに、建物用途に条件を設けない代わりに「河川」という建設地に関する条件を設定し、作品募集を行ないました。その結果、83点(登録件数135件)の応募作の中から、審査委員による厳正な審査の結果、大臣賞3点、学生賞、特別賞の計6点(1点の重賞を含む)が入賞されました。
    日本CLT協会は、今後も本コンテストを通じて、CLTの普及やCLTを利用した工法等の新たな技術開発を推進し、都市の更なる木造・木質化を目指します。

  • 審査会に立ち会うオブザーバーの方々

    審査会に立ち会うオブザーバーの方々

    審査風景

    審査風景

    入賞作品を前に審査委員・オブザーバーによる記念撮影

    入賞作品を前に審査委員・オブザーバーによる記念撮影

農林水産大臣賞

大屋根で覆い商うマーケット -CLT造マーケットがつくる舟運文化-

大坪 元気(nof architects)CLTPL0106

  • 農林水産大臣賞
  • 農林水産大臣賞
  • 作品コンセプト

    隅田川沿いに舟運文化を生み出す拠点となるマーケットの提案である。かつて河川は人と物が日々行き交い、川沿いには河岸(かし)と呼ばれる市場が広がっていた。今再び舟運に着目し、河川の魅力を引き出すことはできないか。かつて舟運で賑わった跡地を敷地とし、CLT造の現代版河岸を計画した。マーケットには荷捌きや競りを行う屋根に覆われた大空間と、品物を売る店舗群が欠かせない。店舗の集合が架構となった大屋根「マーケットルーフ」を、2棟のボリュームが支え持ち上げる構成とした。店舗間の界壁であり構造材である格子架構、内部に穿たれた搬入用ヴォイド、景色を見ながら買い物ができる外周回廊と看板が貼られた梁。構造材であり仕上材であるCLTの特徴を生かし、構造とプログラムが一体となる空間を演出した。河川沿いの敷地であるからには、自然の風景に溶け込む大らかな建築をつくりたい。CLTの軽さと力強さ、暖かな素材感を生かし、90m×45mに渡る巨大な木板がすっと宙に浮いた、軽やかで伸びやかな姿をつくることができた。

    作品について

    空中に長い架構のブリッジを架け、その中と上下に空間ができています。水平ラインがはっきりと分かりCLTがよく目立っていることや水辺にしっかりとしたCLTの構造と空間ができている提案が評価されました。CLTを他の部材で補強して、無柱空間をつくっている点など、CLTらしい使い方に安心感がありました。

国土交通大臣賞

OVERLAP

髙橋 賢治/管 さやか(フリーランス)CLTPL0095

  • 国土交通大臣賞
  • 国土交通大臣賞
  • 作品コンセプト

    工法、活動、時代をオーバーラップさせた建築物を提案する。平面構成になりがちなCLTから、曲面的な建築物を創りたいと考えた。CLTの加工性と面としての強度に着目し、プレカットされたCLT部材を重ね合わせる工法を採用。CNCプレカットマシンを活用し平面の塊から部材を掘り出す事で曲面を成形した。CLT部材を重ね合わせた層を3層、CLTのつくりと同様に各層を互いに直行させて積層し、一繋がりの曲面構造体を形づくった。想定敷地は東京都墨田区の北十間川。現在、川に沿って商業施設や船着場が整備されるなど水辺開発が盛んな地域である。その河川上に通行する手段としての橋ではなく、河川周辺が一体となって利用される広場を計画。からまり合う床面は、行き止まりのない迷路。回遊する人、佇む人、多様な活動が上下で交差する。かつて物流の拠点であった北十間川を再び輸送路として活用し、広場の下部には木漏れ日のような水辺環境が生まれる。人や船が行き交う姿がこれからの未来に繋がっていく。

    作品について

    短手・長手の両方にアーチを架ける、CLTの面としての強度をうまく活かした提案です。強度の高い中央部の立体的に交差した部分は、低ライズによるスラスト(水平応力)を川の両側の舗装部分がしっかり留めています。橋の案が多いなか、河川の上に公共的な場をつくるというプログラムも評価されました。

環境大臣賞/学生賞〈日本CLT協会賞〉

史を味わい 自然を愛でる

森岡 大喜(広島工業大学)CLTPL0067

  • 環境大臣賞
  • 環境大臣賞
  • 作品コンセプト

    歴史・自然が大事だという人は多い、しかし歴史の大事さ、自然の良さを伝える場所が身近になく、実感している人は少ない。そこで私は一番身近である地元で二つを感じられる場を提案した。建物は厳島神社と関係があることから書院造をモチーフとし、そこに地元の歴史を学べる空間を設ける。この敷地付近は二本の滝がある自然豊かな場所であり、二つの滝を建築を通してアプローチできる。また、山と川とを繋げるようにフロアのレベルを変えることで、建築を通して山と川のつながりだけでなく、歴史と自然のつながりが生まれる。CLTを使うことで容易に組み立てできるだけでなく、もともとこの場所にあった木材を使うことで環境にやさしい。それだけでなく、この建築は森となる。建築が自然と一つになるのである。過去の歴史を学び、自然を感じる場所だけでなく、現代から未来に歴史・自然を発信する場所になり、この建築自体が歴史になり、自然になる。

    作品について

    表が川で裏が滝という2つの水の中にCLTの建築を置く提案です。寝殿造を想定して平面をつくりながらも西対と東対は平面に並べるのではなく、床のレベルを垂直方向に移動させて変化をもたせています。箱形や壁として使う提案が多い中、掘立柱的なもので床を浮かせた空間をつくり出していることも評価されました。

学生賞〈日本CLT協会賞〉

RE*ver ー石神井川跡に再び【RE】水を通し、バイオジオフィルターを使って水質を改善ー

佐久間 はるか(工学院大学)CLTPL0050

  • 日本CLT協会賞(学生賞)
  • 日本CLT協会賞(学生賞)
  • 作品コンセプト

    水質悪化や荒地化していた石神井川跡に植物の力で水質を改善するバイオジオフィルターを用いて、再び水を流し、水に親しむコミュニティを再建する。CLTの特徴である面材としての使用と、今は使われていない石神井川跡の骨格である遺構を組み合わせた構造にすることで、町に根づくコミュニティを目指した。また、バイオジオフィルターにはパピルスやマリゴールドのような一年草を用いており、年間で、2~3回程度植え替えのための地域ワークショップを開催し、SDGsへの取り組みや、建築の仕組みが環境に還元することを地域全体で意識できる空間にした。そして現在の川は、氾濫の繰り返しが理由で直行工事により地下に通され、今では駅前という優れた場所が、荒地になっている。川の風景が失われていた場所が、遺構を生かしつつこの建築とバイオジオフィルターの力によって、再び人が集い、憩う場所になり、コミュニティ活性化につながる建築を提案する。

    作品について

    地下を流れる石神井川を再生し、水と木質(CLT)がマッチした空間を創造している魅力的な提案です。アーチ状の板面をずらしながら重ねて配置することで、通りをさまよう面白さがでています。PC的な使い方をしながらPCよりも早くつくることができるCLTの特長を生かした点と造形的な部分が評価されました。

学生賞〈日本CLT協会賞〉

水の都の玄関口 〜河川でつながる新たな賑わい〜

畠田 泰志(広島工業大学)CLTPL0058

  • 日本CLT協会賞(学生賞)
  • 日本CLT協会賞(学生賞)
  • 作品コンセプト

    広島市の市街地には6本もの川が流れており、水の都と呼ばれています。昔は街の中を流れる河川を使い、雁木(水辺にせり出した階段状の船着き場)を利用して人や物を運搬していました。現在は昔と比べると河川と人々の繋がりは薄れています。そこで、かつての繋がりを取り戻すためCLTを用いて、雁木タクシーや水上バスの船乗り場、カフェ、河川と触れ合える雁木広場を提案します。建物は、なるべくCLTの端材が出ないようにカットし、高さや長さの異なる門型のフレームを複数築きます。そのフレームを左右にずらしながら交差させて組み合わせることで、門型のフレーム構造の弱点を補い合い、様々な空間を作ります。そして、左右上下にずらしながら組み合わせることでできた隙間からは、柔らかな光と心地よい風が建物内に入り込みます。このようにしてできた、この建物は、水の都広島の新たな玄関口となり、河川を利用して街に人を呼び込み、広島市内をさらに活性化させます。

    作品について

    単純な門型のフレームをX方向Y方向に組み合わせることで、開く、閉じる、屋根に架かるなど、多彩な場所をつくっています。門型フレームの長手方向が開かれ、川辺の風が通り抜ける環境が新鮮で、川と親しめるように水辺と水上の両方の空間を作り出そうとしている点も評価されました。

特別賞〈日本CLT協会賞〉

街を川へ開くCLTの門

萩原 崇史(株式会社大林組)CLTPL0076

  • 日本CLT協会賞(学生賞)
  • 日本CLT協会賞(学生賞)
  • 作品コンセプト

    かつて100万人都市「江戸」の物流を支えていた隅田川は、今では水辺にテラスが整備され、都市と水面が織りなす美しい景観を人々に提供しています。しかし、背後の市街地との間はコンクリートの潮受け堤防(カミソリ堤防)で分断された状態です。本提案では、浅草橋駅に近い既存の街路に隅田川に向かう軸線を設定し、街と川の接点に「門」に見立てたCLTの屋根を架けます。初期の寺社建築の屋根に見られる「持ち出し」の技術をヒントに、CLTが持つ面材と構造体を兼ねられるという長所を組み合わせ、柔らかな曲面を持つ屋根を構成します。この「門」により、東京を訪れる人々に向けて、歴史を紡ぐ隅田川のイメージを発信します。街路には川を楽しむための様々な施設を導入して観光拠点として整備し、約1.5㎞離れた浅草エリアとの間の隅田川ウォーキングを東京観光の新たな定番コースとして提案します。かつて川からの物流で栄えた街を、今度は人の流れによって再び川と結びつけます。

    作品について

    板を並べていく単純な使い方で、伝統的な工法(持送り)を用いながら板を水辺に出していくというアイデアです。CLTの魅力である大きくシンプルな材として用い、特徴的な空間を出せている点が評価されました。ボルトで留めているので取り替えも容易。隅田川に向かう道路にCLTのボードを敷き、それを辿っていくと隅田川に架かるCLTの門に到達する、という発想も評価されました。

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